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2005年06月14日

伝えたいこと!

週に一回学校に詠み聞かせに行っています。

先日「お母ちゃん、お母ちゃーん。むかえにきて」
(小峰書店 奥田継夫 文・梶山俊夫 絵)  
を読みました。

1985年出版の絵本です。作者も4年生の時に島根県に集団疎開の
 経験をしたそうです。
(私の担当も4年生です)

とてもつらい話です。
家で読んでみて、3度読んでも涙が出るので読むのはやめようかとも思いました。

でも勇気を出して読みました。

私たち世代は両親から戦争体験を聞いて育ちました。
戦争が怖いものだ。嫌だ。というメッセージをしっかりもらいました。
でも、そのメッセージを私の子ども達にはしっかり伝えられていないように思います。
実体験していないので、聞いた話だけではなかなかうまく伝えられません。

それで、この絵本を選びました。

読み進んでいくうちに、涙がでそうになるのですが
声や手が震えるのですが、なんとか読み終えることができました。

聞いている子ども達も
それはそれは真剣なまなざしで聞いてくれました。
最後のページが近ずくと
顔を伏せてしまう男の子さえいました。
(怖かったのでしょうか?悲しかったのでしょうか?涙がでそうになったのでしょうか?)

戦争の恐ろしさが少しでも伝わったのではないでしょうか?

「ごめんね。朝から悲しいお話したね!」
これだけ言うのが精一杯で、今日は2冊目が読めませんでした。

絵本からの抜粋です。


昭和19年9月22日、夜、9時52分。疎開第八特別列車は、先生と
子供だけを乗せて。発車した。
「お母さん、さようなら。勝つ日まで頑張ってきます。」
みんな、元気いっぱい手をふった。

17時間かかってやっと島根県に着いた。
おきたときも ごはんを食べる時も 教室でも お寺でも
24時間 ともだちといっしょだった。

秋は短く、木枯らしが吹くと、陰気な冬がやってきた。
そして、お父ちゃんもお母ちゃんも姉ちゃんも 妹もいないお正月。

そのころから 家に帰りたくなってきた。
シラミがわいた。 
ノミもでた。
食べるものも少なくなった。
「食べ過ぎた時に飲むねんよ。」と渡された胃の薬を食べてみた。
一瓶みんな平らげた。
きみずが胃から上がってきた。
お腹が減って減って、土の上を転げまわった。

誰もみんながりがりだ。
食べ物のことではよく喧嘩が起こった。

ぼくは弱かった。
勉強がよくできるといっては、
ねしょんべんをしたといっては顔の洗い方がサルに似てるといっては・・
いじめられた。
ぼくも弱いやつをいじめた。
だんだん集団疎開が嫌になって来た。

とうとうーーー。
「先生、家に帰らしてください。大阪へ帰らしてください。
 お母ちゃんのところへ 帰らしてください。」と頼んだ。

そんなぼくに 先生は びんたを くらわし、
「お前らは 次の兵隊になるために集団疎開にきたのだ。 
 あまえるな」と言った。
強い子、良い子に育てようとした。

ぼくはお寺を逃げ出した。が・・線路の上でつかまった。。。
「お母ちゃん、お母ちゃーん むかえにきて・・・・」

電報が来た。
オトウチャンハ センシナサイマシタ カエラナイデ ヨロシイ  ハハ

お父ちゃんが戦死!?
帰らないでよろしいって、、お母ちゃんのばか ばかばか。

待ちに待った面会の日、お母ちゃんがほかのお母さんに混じって
門のところに立っていた。

この春のような この光のような この海のような あたたかいもの。 
ぼくはかけよってお腹の底から 声を出した。
「お母ちゃーん、ぼく かえりたい。」
ぼくはおもいきりおかあちゃんに甘えた。
長い間‘お母ちゃん’というものに飢えていた。

戦争というものが格好のいいもんでもなく、つらくて つらくて
しんどいもんであることが やっとわかってきた。
ぼくは自分で集団疎開に行くといっておきながら、
お母ちゃんが帰った後では
 ----お母ちゃん、はよ むかえにきて。
と毎日拝むようになった。

3月13日、大阪が空襲で焼けた。
母さん、姉さん、妹も即死だったと先生に聞かされた。

「辛抱するんだぞ。これもお国のためだ。悔しかったら
早く大きくなって兵隊になれ。」

いくらおくにのためだといわれても、
いわれるはしから はしから 涙が流れ落ちた。


8月15日、戦争は終わった。
大人は悔しがって泣いたが、
友達は「家に帰れる」といってよろこんだ。

ぼくは帰る家もなかった。
悔しくも嬉しくもなかった。

ぼくは、おもかげをおって、一人で 線路を 歩いていた。

ーーーお母ちゃん。
ーーーお母ちゃーん。
ーーーお母ちゃぁーん。

投稿者 himono : 2005年06月14日 10:02

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